ここ最近、住宅の温熱環境と言えば、
次世代省エネ基準とか、等級4とかという言葉だけが一人歩きしている感じがするが、
そもそも、何年前になるのか忘れたが、
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(以下品確法)が制定され、
その中に耐震等級であるとかバリアフリー等級であるとか、音環境の等級であるとか、
住宅に関する性能を項目ごと(たしか10項目くらいあったはず)に等級を設定し、
一戸一戸の住宅がどんな性能を持っているのか数値化する事が、この住宅の等級化の始まり。
もちろん、その項目の中には・・・、
窓から見える景色の良さとか、リビングの居心地の良さとか、
水回りの動線の良さとか、パっと見のカッコ良さとか(笑)、
そのような、設計者が常日頃追求している課題なんて、当たり前だが一切ない(苦笑)。
ただそれでも、世の中全て法律の枠の中で動かないといけないので、
一級建築士である以上は、品確法くらいは理解しておく必要があり、
温熱環境の等級に対する理解も今や必須。
温熱環境の等級とは、簡単に言えば、住宅からどれくらいの熱が逃げ出すのか、
どれくらいの日射が入ってくるのか、断熱材やサッシ・ガラスの性能でランク付けする事。
一般的にはメーカーが設定しているこの等級に合った性能を持った製品を使えば、
何も難しい話は無いのだが、それでは設計とは言えないので、
床・壁・天井・建具の仕様を設定し、実際の熱損失や日射遮蔽を計算する事になる。
今日はその計算ソフトを作っているCADベンダーの講習会。
計算理論を理解した上で、簡単にシミュレーションできるソフトを使えば、
面倒な計算でも効率的に作業が出来る。
実際に講習を受けながら、いくつもシミュレーションをしてみると、
改めて計算のツボを理解出来たので、今後の業務には有効な講習会となった。
なにしろ、フラット35Sや、エコポイント、長期優良住宅など、
全ての補助金や金利優遇に使うことになるので。