最近、住まいから一切「火」が無くなってきている。
もちろん、それは住まいが「オール電化」住宅になっているから。
「オール電化」住宅とは・・・、と説明する必要も無いが、
今までプロパンガスや灯油でまかなっていた給湯やコンロの「火」を、
電気でまかなうと言うことだ。
所謂エコキュート+IHクッキングヒーターの組み合わせ。
これらの出現によって、住まいから「火」が消えた。
確かに、オール電化にすれば光熱費は毎月1万円ちょっと。
プロパンを使うよりも、高騰化する灯油を使うよりも安い。
ランニングコストではかなりのメリットが見込める。
火災保険も安くすむ。
一方、デメリットは、一般論としては・・・、
・停電時に家が全く機能しない。
・電磁波の影響が不透明。
など機能的なデメリットがあげられる。
しかし、本当のオール電化のデメリットは、
機能的なものよりも心理的なもののような気がする。
心理的なデメリットとは、住まいから「火」がなくなること。
ボクは住まいには、と言うか、
人間の生活には「火」は絶対に必要だと思う。
人類の文明の歴史は火を起こしたところから始まった、
なんて壮大なことを言っても実感はないが、
寒い日に焚き火に手をかざした時のあの暖かさ、
子供の頃、キャンプファイアーを囲んで輪になって楽しんだ思い出、
そして、ボクの頭から離れないのは、阪神大震災の後、
たき火の廻りに集まっていた被災者たち。
これは実際に震災の現場に足を運んだものでないと実感出来ない。
このままオール電化住宅が一般化したら、
もしかして、火に手を近づけたら火傷することも
わからない子供も増えるかもしれない。
オール電化は確かにメリットも多いけど、
それでもやっぱり「火」は必要だと思う。