朝7時過ぎに現場に行くと、もう前崎棟梁と黒澤大工が作業している。
7時半にはクレーン車も到着、建て方を手伝ってくれる大工さんたちも揃い、
8時からの作業開始前にしばしお茶の時間。
敷地内にまだ既存建屋が存置しており、敷地全体の半分しか工事エリアとして使えないため、
クレーン車は既存建屋と道路との間の狭い駐車スペースしかない。
なおかつ、前面道路側には電線が何本も走っているので、
クレーンの運転も電線に気をつけながら。
おまけにクレーンに一番近いところの建物東南の角部分に通し柱が来るので、
この柱もクレーンの動きの邪魔をする(苦笑)。
上の電線と下の通し柱をかわしながらのクレーン操作はなかなか至難の業・・・。
そんなことを大工さんたちみんなでお茶を飲みながら話しをしていると、
一人の大工さんから「やるしかねーんだよ!」と声がかかる。
いかなる状況でも前に進もうとするエネルギーが必要なのは、どんな仕事でも共通すること。
ボクはこういう、考えるよりまず前に進もうとする人が好き。
3時頃、再度現場に行くと、2階の桁、梁までは終わっており、
残りは屋根を支える小屋組のみ。小屋束を建て、梁と緊結させるために、
鎹(=カスガイ、子はカスガイのカスガイです。うちなんてまさにこれ・・・(笑))を打ち、
母屋を載せ、これから垂木をかけて、野地板を貼るところ。
その野地板の合板を吊り込んでいるところ。
電線と建物の隙間で吊り込んでいる様子が分かると思う。
建築の現場はこうやって、一日一日地道な作業の積み重ねで出来上がっていく、
どんなに暑かろうとも、寒かろうとも。
今日、現場で嬉しかったことは、現場に隣接する保育施設の子どもたちが窓越しに、
「がんばって~♪♪♪」と応援してくれた事。モノをつくる人の大変さは子どもたちにも伝わるらしい。
人間って誰でも応援されたり評価されたりすると素直に嬉しいもの。
もし、これからまったく見知らぬ現場をたまたま通った時には、
「お疲れさまでーす」とか「おっきい家ですねー」とか何でも良いので、
一声かけてあげようと思う。
見和S邸は、8月2日大安吉日に上棟式を迎える。