建物の構造を考えるとき、
最も基本的なことは建物の偏心を抑えること。
偏心とは、建物の重さの中心と固さの中心のズレ。
重さの中心を重心、固さの中心を剛心という。
(図面の中に「重心」「剛心」と表示)
重心と剛心のズレが大きいほど、
地震時にユレが大きくなり、建物が壊れやすくなる。
一般建築の設計では、
構造事務所にしっかりと構造設計をして貰うので、
「偏心抑えてね」なんて言わなくてもOKだし、
偏心を抑えないと申請も通らないが、
実は、木造住宅の確認申請の場合、
偏心のチェックは無い。
だから、偏心率が15%を超えているような建物でも、
申請が通っているのが現状。
ちなみに、御茶園U邸の偏心率は
1階:X方向8.2%、Y方向7.8%
2階:X方向9.8%、Y方向4.0%
と、各階各方向全て10%以内に抑えている。
筋交いを考えるとき、
出来るだけ内部の壁には筋交いを入れないようにしているが、
偏心を考慮して、1階トイレの横の壁にダブルの筋交いを配置している。
偏心はプランが決まってからでもある程度は抑えられるが、
やはりプランニング段階から考慮しておくのがベター。
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